地域の歴史をも形作ってきた輪島の漆芸は、幾重にも連なる困難を乗り越えてきたといえます。大火、戦争、自然災害に見舞われつつも、その都度人々は立ち上がり、技の限りを尽くして堅牢優美の輪島塗を生み出し続けてきました。世界に類のない生産構造と技術力は、今なお絶えることなく受け継がれています。
この地に開館した石川県輪島漆芸美術館は漆文化の発信、集積の拠点となるべく努めてきました。コレクションは輪島にとどまらず国内や海外に広がり、古今の漆芸品にわたっています。本展では「輪島塗」、「輪島の漆芸作家たち」及び、「国内の漆芸」の各分野から、これまで蓄積されてきた所蔵作品の数々を紹介します。
漆の新たな魅力を発見し、親しんでいただく一助となれば幸いです。
同時開催
「隠された技をたどる―夜の地球 Earth at Night」(展示室3)
*輪島塗大型地球儀「夜の地球 Earth at Night」はご覧いただけません
「わんじま展」(1階、入場無料)